特に夏場などに多い、局地的な大雨や雷雨。
このような現象を、昔ながらの言葉で「夕立」なんて呼びますよね。
ですが、ここ何年かの間に、この「夕立」とよく似た現象に対して使う言葉が登場してきました。
それが「ゲリラ豪雨」です。
では、ゲリラ豪雨は夕立にはどんな違いがあるのでしょうか?
それぞれの意味も調べてみました。
ゲリラ豪雨の意味とは?
ゲリラ豪雨というのは、実は2008年頃によく使われるようになった言葉で、かなり最近になって登場したと言えるものです。
2008年にゲリラ豪雨という言葉が浸透したのは、「新語・流行語大賞」にノミネートされたことが大きく影響していると考えられます。
なぜ2008年に、このゲリラ豪雨という言葉が流行したのかと言えば、それはこの年に、全国各地で局地的な大雨による大災害が発生したからです。
冠水、浸水、河川の増水による事故など、突然の大雨がもたらした様々な災害に対して、よくテレビ番組などで「ゲリラ豪雨」と報道されました。
その結果、この言葉が広く浸透し、使われるようになったのですね。
ではゲリラ豪雨という言葉にはどのような意味があるのかと言うと、「ゲリラ」というのは、スペイン語の「小戦争」のことを意味しています。
敵を奇襲して混乱させる小部隊、といった意味も持っています。
つまりゲリラ豪雨は、そんな奇襲とも言える突然の豪雨のことを指しているということです。
ただし、このゲリラ豪雨という言葉は、実は気象庁では使われていません。
気象庁では「局地的豪雨」「集中豪雨」といった表現をします。
あくまでも、ゲリラ豪雨はマスコミが使う言葉であり、また、マスコミにより広まった言葉でもあるのです。
夕立の意味とは?
ゲリラ豪雨が近年、使われるようになった言葉であるのに対し、夕立という言葉は古くから使われていますね。
夕立の意味は、夏の午後から夕方ごろにかけて、短時間のうちに降る大雨です。
この言葉の語源には諸説ありますが、特に有力なのは「夕方に積乱雲が立ち上がり雨を降らせるから夕立」という説です。
また、雷を伴った急で激しい雨のことを、昔は「彌降り立つ雨(いやふりたつあめ)」と言ったことから、これが転じて夕立と言われるようになったという説もあります。
いずれにしても、かなり昔に誕生した言葉であることは間違いなさそうですね。
ゲリラ豪雨と夕立の違いは?
ゲリラ豪雨と夕立のそれぞれの意味を知ったところで、ではこれらの違いは何なのか、気になりますよね。
どちらも特に夏頃に降る、突然の大雨を指しているのですから、「意味は同じでは?」と感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。
確かに、このゲリラ豪雨と夕立という2つの言葉で示されるのは、同じようなシステムで発生する大雨です。
ですが、基本的には夕立は、災害などには直結しない「10分程度の短時間で止む雨」のことを指す言葉として使われることが多いですね。
これに対してゲリラ豪雨は、突然降りだしたと思ったら長時間降り続き、大きな災害に繋がることもある大雨を指して使われることが多くなっています。
また、特にゲリラ豪雨は、発生場所を予測しにくいという特徴も持ちあわせています。
だからこそ、「奇襲」という意味合いを持つ「ゲリラ」という言葉が使われているのです。
夕立は文学的な表現で用いられることも多く、災害に直結する大雨として使われるケースはあまりありません。
つまり、ゲリラ豪雨と夕立の違いとして、最も分かりやすいのは、「災害に繋がる恐れがあるかどうか」という点ですね。
ただし、基本的にはどちらの言葉にも定義はありません。
どちらも気象庁では使われない言葉であり、夕立なのかゲリラ豪雨なのか、判断は人それぞれ、といった曖昧な部分もあります。
まとめ
ゲリラ豪雨と夕立には明確な違いはないものの、基本的には雨の長さや災害が起こる危険性などにより言葉が使い分けられていると考えることができます。
ただし、今のところ定義はなく、それぞれの判断で用いられている言葉でもあります。
日本語は奥が深いですね!