春の七草と秋の七草の違いとは?それぞれどんな意味があるの?

七草 違い

春の七草や秋の七草という言葉を皆さん聞いたことがあると思います。この言葉を聞くと季節を感じますよね!日本ならではの良い習慣でもあると思います。

しかし春の七草と秋の七草についてあまりよく知らないという人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は春の七草と秋の七草についてと、それぞれの違いについてご紹介していきたいと思います。ぜひこれらのことを知っておきましょう!

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春の七草の意味について知っておこう!

ではまず最初に春の七草の意味や由来についてご紹介していきます。

春の七草と聞くと思い浮かぶのが七草粥ではないでしょうか?ですが元々春の七草が発祥したのは中国からだとされています。

本来1月7日は中国では人日の節句と呼ばれていました。この日は人の1年の吉凶を占った日とされており、この日が晴れであれば吉で、雨なら凶だとされてきました。

そのため、この日に邪気を払いましょうということで、七草が入ったお粥を食べて、1年の無病息災を願ったとされています。

そして日本では804年に書かれたとされる天皇神宮歴史帳を見てみると、この七草についての記録が残っています。

平安時代の頃は今の七草とは違ったものを食べていました。当時は米と粟と黍と稗とみのと胡麻と小豆の七種の穀物でお粥が作られていたのです。この七種をななくさとしていました。

そして今のような七草になってきたのが鎌倉時代からだとされています。それでも歴史はとても長いもので、現代までずっと行われてきたものでした。

そして春の七草に選ばれているものはどれも健康的に過ごせるような栄養分が含まれています。

ついつい野菜が不足しがちな冬でも元気に過ごせるようにという意味と、春に芽吹いた新芽の生命力を戴くことで邪気を払いましょうという意味も込められています。

春の七草は以下の7つです。それぞれどのような効果があるのかも合わせてご紹介いたします。

●セリ…湿地などによく生えており、主に整腸作用や解熱効果があるとされています。
●ナズナ…ぺんぺん草とも呼ばれています。これは利尿作用があり老廃物を排出します。
●ゴギョウ…ハハコグサとも呼ばれています。これは咳止めに効果があると言われます。
●ハコベ…ヒヨコグサとも呼ばれています。年齢を重ねる度に気になってくる歯槽膿漏に効果があると言われています。
●ホトケノザ…コオニタビラコとも呼ばれています。解熱や解毒の効果があります。
●スズナ…カブでもあります。七草粥ではカブの葉を使います。主に便秘解消の効果があります。
●スズシロ…大根でもあります。主に食欲増進や利尿作用の効果があります。

このように見てみるとどれも健康的な食材だということがわかります。春の七草は先ほどにも記載したように、邪気を払うために食べられてきたものです。なのでこういった7種類が選ばれたのではないでしょうか?

ちなみに春の七草にはそれぞれ意味も込められています。

●セリ…競り勝つことができるという意味。
●ナズナ…撫でることで邪気や穢れを払うという意味。
●ゴギョウ…仏の体という意味。
●ハコベ…反映が蔓延っていくという意味。
●ホトケノザ…仏様が安座しているという意味。
●スズナ…神様を呼ぶための鈴という意味。
●スズシロ…純真で穢れのない白という意味。

とあります。どれも縁起が良く清らかなイメージがありますね!

秋の七草の意味について知っておこう!

では秋の七草というのはどのようなものなのでしょうか?もしかしたら春の七草と比べるとあまり聞いたことがないという人も多いのではないかと思います。

でも実は秋の七草にもちゃんとした意味が込められています。では秋の七草の由来であったり、その種類にはどのようなものがあるのでしょうか?

まず秋の七草の由来についてご紹介します。これらは山上憶良という詩人が詠んだ2つの詩が発祥だとされています。

まず1つ目の詩は【秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花】という詩です。

この意味としては、秋の野原に咲き誇る色鮮やかな花を、指を折って数えたら七種類の花が咲いていたというような意味になります。この七種類の花が秋の七草として浸透し始めてきました。

また2つ目の詩は【萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志 また藤袴 朝貌の花】とあります。

これらは秋の七草として彼が見た花の種類だとされています。

ではこれらの詩から見た秋の七草にはどのような種類があるのでしょうか?

秋の七草となっているのは、萩、尾花、葛、撫子、女郎花、藤袴、桔梗の7つです。春だけではなく秋にも七草があるのがわかりますね!

せっかくだからこの秋の七草を覚えたい!という方もいるのではないでしょうか?

そこで簡単な覚え方を1つご紹介します。それが「お好きな服は」です。

お…女郎花(おみなえし)
す…ススキ(尾花のことです)
き…桔梗(ききょう)
な…撫子(なでしこ)
ふ…藤袴(ふじばかま)
く…葛(くず)
は…萩(はぎ)

です。

これなら簡単に覚えられるので、ぜひ覚えてみてください!

このように秋の七草は山上憶良が目で見た花を詩に書いた時に出てきた花たちです。自然の美しさに感動した山上憶良が思わず書いてしまった詩なのでしょうか?きっと彼が見た花は本当に美しかったのでしょうね!

春の七草と秋の七草の違いはどこにある?

さて上記まで春の七草と秋の七草についてご紹介してきました。ではこの2つの違いというのはどこにあるのでしょうか?

まず気がついた方も多いとは思いますが、春の七草は食べてることによって邪気を払って、人々の無病息災を祈るために食べる七つの植物というものです。一方秋の七草は山上憶良が実際に見たものを詩にして、その詩に出てきた七つの植物です。

春は健康面のこと、そして秋は鑑賞するためのものという違いがあります。だから秋の七草をお粥にするという話は出てこないのでしょう。

また発祥の地も異なってきます。春の七草は中国から伝えられたものですが、秋の七草は日本から発祥しています。

また面白いことに、秋の七草に選ばれている植物たちは万葉集にてたくさんの詩人が詩に詠んでいます。しかし春の七草に選ばれている植物はセリだけしか万葉集に出てこないのです。

こう考えると秋の七草は目で見て楽しむものというのがよくわかりますね。日本ならではのこの七草ですが、ぜひともこれらの違いも覚えておくと良いかもしれませんね!

まとめ

このように春の七草と秋の七草は種類だけではなく意味も異なってきます。今まで春の七草しか考えたことがなかったという方も、これを機会にぜひ秋の七草を意識して、ぜひこれらの花を見てみるのも楽しいですよ!

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