風邪をひくと、咳や鼻水など不快な症状が多数現れます。そんな中で、時に悩まされる症状の1つが、関節痛です。
これは一体何が原因で起こっているのか、どう対策すれば良いのか、疑問と不安を感じる方も多いでしょう。そこで、風邪による関節痛の原因と、その対処法について調べてみました。
風邪の関節痛☆原因は体内の分泌物
風邪の関節痛の原因は、細菌やウイルスだと考えている方が多いでしょう。これらの風邪の原因となるものが、関節にも悪さをしている、という印象が強いですよね。ですが、実はこれは間違えた認識なのです。
風邪で起こる関節痛の原因は、人の体の中で作りだされる物質によるものです。風邪をひいたことで、白血球からサイトカインという物質が分泌され、これが身体を守るために働きかけてくれます。
ですが、これが過剰に分泌されてしまった時に、臓器不全になってしまう恐れがあり、制御しなければなりません。
そこで、この制御をするために分泌されるのが、PGE2という物質です。この物質には関節に痛みを感じさせる作用があり、これが原因で関節痛が発症するのです。
つまり、関節が痛いからと言って、決して身体に大きな負担がかかっている、危険な状態、といったことではないと言えるのですね。
関節痛が起こっているということは、身体の中で風邪の菌を追い出そうと、必死に戦ってくれている証拠です。そう考えれば、不安も軽減されるでしょう。
風邪の関節痛☆辛い時の対処法
風邪の関節痛が悪いものではない、と理解できても、やはり痛みを感じるのは辛いですよね。そんな時には、痛みを軽減する対策をしてみると良いでしょう。
痛みを和らげる方法としては、最も手っ取り早いのは医師による診察を受けて、痛みを鎮静する効果のある風邪薬を処方してもらうことです。
ただ、関節痛の原因が風邪にある場合には、無理に痛みを抑えるよりも、風邪を治癒させることに尽力した方が効率的であると言えます。
それから、関節痛に湿布を使用するという方法もあります。風邪による関節痛は原因が身体の中から分泌される物質なので、必ずしも湿布が効果を発揮するとは言い切れません。
ですが、湿布には冷却効果があり、痛みの感じ方を鈍くしてくれる働きが期待できますので、全く無効、というわけではないですね。
気分的には痛みが和らいで楽になる可能性もあるので、湿布を利用して痛みの緩和を図っても良いでしょう。
関節の痛みにより熱が発生している場合には、この部分の熱を取り除くことで痛みが軽減できる可能性もあります。
ただし、冷やし過ぎると免疫の働きを阻害し、回復が遅れる可能性もありますので、あくまでも「我慢できない場合の応急処置」といった感覚で湿布を使用してください。
風邪の関節痛☆思わぬことが原因かも!
風邪で起こる関節痛の主な原因は免疫によるものですが、実は意外な原因が隠されていることもあります。
例えば風邪よりも重篤な症状になりやすいインフルエンザ。これは、高熱と関節痛が主な症状として現れます。
そのため、関節痛を伴う発熱の場合には、単なる風邪ではなく、インフルエンザを疑い、病院を受診した方が良いでしょう。
さらに怖いのが、膠原病というものです。これは人の体内で細胞同士を結び付けて、臓器の強度を保つ結合組織に病変が生じてしまったものです。
自己免疫システムがうまく働かず、自分の身体を攻撃してしまう抗体を作ることが原因ではないかと考えられています。
この病気の場合には、風邪による鼻水や咳といった症状が完治したにも関わらず、関節痛だけが長く残ります。2週間以上も続いているという場合には、膠原病を疑い、病院で医師に相談した方が良いでしょう。
このように、風邪による関節痛には思わぬ原因が隠されているというケースもありますので、あまり軽視しすぎるのは良くありません。
基本的には健康を害するような痛みではありませんが、ひどい症状の場合には、医師に相談して適切な治療を受けていきましょう。
まとめ
風邪により起こる関節痛はとても不快で、早く治してしまいたいものですよね。ですが、基本的には免疫が正常に働いていることこそが原因になっている、と考えれば、納得できるでしょう。
アロマなどでも痛みを軽減できると言われていますので、辛い時にはそういった対策をして、痛みを軽減しながら様子を見ましょう。